2 民法の基本概念
法律関係
① 法律関係:法律上の関係。≒権利義務関係。裁判所を通して強制可
(1) 権利義務関係 : 権利(~できる) ⇔ 義務(~しなければならない)
(2) 民法上の法律関係 : 法律要件(Aならば) ⇒ 法律効果(Bである)
(3) 私権の変動 :私法上の権利の発生・変更・消滅。≒法律効果。権利=物権・債権
物権:物に対する直接的・排他的な支配を内容とする権利
債権:人に対する一定の行為を要求することを内容とする権利
② 解釈の種類:解釈によって多様な結論がありうる。∵ 事件の多様性 (例)〇猫
(1) 文理解釈:一義的な意義を素直に解釈 (例)〇野良猫
(2) 拡張解釈:文言を一般の意義以上に拡張して解釈。拡大解釈 (例)〇ライオン
(3) 類推解釈:趣旨に遡って趣旨に妥当する場合に適用 (例)×犬
(4) 反対解釈:条文以外の事項については適用されないと解釈 (例)×ワニ・鳥・昆虫
⇒ 解釈で結論が変わる。妥当な結論を導くための方便
契約の成立と効力発生
① 契約の成立要件:申込みと承諾の合致
契約成立
契約不成立
② 契約の有効要件
(1) 主観的有効要件:当事者 -権利能力・意思能力・行為能力・意思表示の瑕疵及び不存在
(2) 客観的有効要件:内容 -確定性・適法性・社会的妥当性
有効 :法的保護に値する≒原則、裁判所で強制可
無効 :法的保護に値しない≒原則、裁判所で強制不可
取消しうる :取消されるまで有効だが、いったん取消されると遡及的に無効(最初から無効)
③ 効果帰属要件:代理の場合
本人に効果帰属
本人に効果不帰属
④ 効力発生要件:条件・期限
⑤ 契約の効力発生:物権・債権の発生・変更・消滅
民法 第2講
